見学者が2名来ました。
今日学習した初級の本文の中に以下のような対話文章があります。
林:一个小时挣多少钱?
张:九百多。一个月挣七万。
この“九百多”を日本語にする時どのように訳したら良いか?
老师は少し困っていました。
間違えやすい訳としては“900円ぐらい” (実際私もこのように誤訳してしまった)
もし“ぐらい”であれば“九百左右”とするはずだと老师は言うのです。
确实老师说的也有个道理。 先生が言うことも確かに一理ある。
老师は結局「900円あまり。一か月7万円稼ぎます。」と訳しました。
でもこのような場面で「900円あまり」という言い方は実際、あまりしないのでは?という議論になりまして、、、
日本語もこう考えると難しい。。。「900円あまり」 の「あまり」と「あまりしない」の「あまり」は全く違いますよね。
もちろん「900円あまり」という言い方は正しいと思います。しかしこのような場面で
「いくら稼ぐの?」の質問に対して回答時に「900円あまり」という言い方はしないのではないかということです。
私が思うに、実際の日常会話では「900円ちょっと」とか「900いくら」だと思います。
こうなると日本語の「ちょっと(少し)」がここでは中国語で“多”と表現する、 まさに逆転現象です。
では“九百多”は具体的にいくつなのか?私の感覚だと901~949の間かなと思いました。
950なら“九百五十”と言うでしょうし、950~970なら“九百五十左右”、971~980なら“一千左右”なのかなと。
さっそくいつものように“中国网友们”に聞いてみました。
もし“九百多”と言ったら頭に浮かぶ数字はどのくらいですか?
我想出的是从901到949之间。
私は901から949の間だと思うケド。。。
比如
A:“你一个小时挣多少钱?”
B说道:“九百多,一个月挣七万”
“九百多”不是等于“900ぐらい”
九百多イコール900ぐらいではない
“ぐらい”的话,应该说“九百左右” 是吧?
“九百多”怎么翻译成日语才好呢?
- 中国語の「九百多」は901から949までかなと思います。もしね、970、980ぐらいなら、中国語は1000ぐらいです。でも同じ意味を表す日本語はないそうです。それで、「九百多」を「900以上」に思います。ヾ(*´∀`*)ノ
- 900から1000の間
- 我觉得只要一千不到都可以称作九百多(例如960/970),除非是990这种,
会说“一千不到一点”。
とのこと。一人は949までと言って、二人は900から1000までとかなり広範囲。。。
このような数字に関しての概念は中国でビジネスをする人にとっては重要かと思います。
うっかり商談の席で“多”と“左右”を言い違えただけで双方に誤解が生じる可能性も。。。
いや、ないか。筆談すればいいわけだし。
(私は実際1円単位のコスト商談時はお互い電卓に数字を打ち込んで交渉していました。当時私の発音がまったく相手に伝わらずに苦労したことを覚えています。)
ほんじつ出てきた“挣 zheng4”の他に似た動詞で“赚zhuan”があります。
両方とも「かせぐ」、「もうける」の意味ですがどのように使い分けているのでしょうか?
私が以前聞いた話では自分の手で働いて手にする金は“挣”で、株や金融商品、投資などで手に入れた金は“赚”だそうです。覚え方としては
自分の手で働いて金を得る=左側が手へん=挣
昔の中国では貝殻を貨幣としていた由来=貝へん=赚
とのことでした。話は最初の“多”に戻りますが
「もっとたくさん食べて!」は中国語で“你多吃(一)点儿!” と表現するそうですが
“多吃”の後に“一点儿” 少し が付くとなんか矛盾しているような気がしませんか?
しかし日本語でも
「もうちょっと多く食べましょう !」という言い方はしますよね。「多く」を省略して
「もうちょっと食べて!」 か「もう少し食べて!」と言うのが自然かな?
また話は変わって本日の中級授業で出てきた次の文章、これも私は意味がわかりませんでした。
“不都是…(部分否定)” と “都不是…(全否定)”についての例文ですが。
中級教科書115ページ 「練習しよう」の3の4
别看他们日本歌唱得那么好,其实他们都不是日本人。
ここでの“别看…”の意味がわかりませんでした。ここでの“别看…”はある動作を禁止、してはいけないの意味の“别看”でなく「接続詞」としての用法で「…であるけれど~~」と訳すのが正しいとのことでした。
正しい訳は
彼らは日本の歌を歌うのがうまいけれど、実は彼らは全員日本人ではない。
别看…についての解説はこちらを参照してください。では今週はこのへんで。。。
来週21日土曜日はS老师による代講になります。どんな内容になるかはすべてS老师におまかせしているので楽しみに?していてください。左上の“复习一下”コラムに前回のS老师による講義の記事を見て感覚を思い出してください。